通常部門に加えて、特別プログラム「連載用第1話ネームOK」も実施した第6回は、大賞1名、入選1名、佳作2名、特別部門賞1名を選出!!


サキュバスの十文字と人間の牛野は同じ会社で働くデザイナーの先輩・後輩。人間に偏見の目で見られながらも仕事で成果を出す十文字は、仕事ができない牛野にキツく当たるが、なぜか牛野は十文字を慕っていて…。
主人公の十文字のキャラクターが出だしから強烈で引き込まれました。陰気で決して性格がいいとは言えないキャラですが、毒の発散の描き方がコミカルで楽しく読めました。また喜怒哀楽きちんと描き分けられた牛野の表情が非常に印象的でした。お話づくり、画力をさらに向上させ、連載を目指していただきたいです。


罰ゲームで負けた三瀬が仁田くんに告白。断られる前提で選んだ相手なのに、まさかのOKされて交際開始。ただ、恋愛や付き合うって何か、初々しい二人にはまだよくわからない…。
キャラクター二人の初々しさとやりとりの可愛さが印象的でした。セクシュアリティだけでなく恋愛自体に悩む主人公の姿にもリアルさがあり、とても共感しやすかったです。ただ、キャラをもっと推したくなるには、もう少し掘り下げが必要に感じました。描かれない設定や些細な特徴、属性をさらに詰めて、男の子同士のイチャイチャをまた読ませていただきたいです。


日本とイギリスのハーフで、ボディビルダー一家に育ったダイちゃんは、高校初日に見た目のせいで不審者と間違われる。誤解はすぐ解けたが、勘違いされ続ける長い一日が始まったばかりだった…。
主人公・ダイちゃんの異質さが魅力的で、好感の持てるキャラクターでした。全体の雰囲気や場面ごとのギャグの面白さもあり、続きを求めてページをめくりました。ただ、起承転結がやや掴みにくかったので、情報を整理し物語の流れを整えると、キャラクターやギャグをより楽しでもらえると思います。またヒロインも少し弱かったので、読者が求めるキャラクターのカップリングも意識して、次回作に取り組んでほしいです。


人当たりがよく人気者だが、どこか陰がある男子生徒・日高くん。彼をモデルにBL小説を書いていた間宮は、恋心とも興味本位ともつかない好奇心で日高くんの秘密を探ってしまう。
思春期の好奇心と興味本位で他人のプライバシーを侵害してしまったときの、取り返しのつかない居心地の悪さが丁寧に描かれていました。主人公が反省しても物語は終わらず、些細な会話にも身構えるようになってしまったその後も描かれていましたが、もう一歩キャラクターやテーマに踏み込んだ上で描き切って欲しかったです。


公権力の不正を暴力を使って暴く謎の集団のお話。主人公の蛇川や仲間たちのキャラクターも立っており、犯罪者とのやり取りもウィットに富んでいて非常に楽しめました。ただ、主人公たちの行為に対して犯罪者の小物感が強くバランスが悪く感じました。またタイトルの「蛇足」が蛇川のキャラにしっかりリンクするとより良い気がします。