「感動してしまったら人は容易に道を踏み外す」
(原作・狩撫麻礼 作画・かわぐちかいじ『ハード&ルーズ』より)
何のこっちゃと思われるかもしれないですが、新しく双葉社のwebマンガサイトを立ち上げるに至り、サイトのコンセプト作りの指針にしてきた言葉です。
もう30数年前の作品ですが、「なぜ我々はマンガを作り続けるのか」、という根源的な問いにぶつかると、決まってこの言葉に行きつきました。
双葉社はマンガの版元としては老舗になるのですが、何度も危機を迎えては、そのたびに「神風」と呼ばれるヒット作によって救われてきました。
久しく「神風」が吹かない危機感から、本来双葉社が得意としてきたマンガ作りをリブートさせるべく、新サイト作りがスタートしました。
「神風」はメインストリームへのカウンターで生まれます。
「神風」を吹かせることは当然ながら容易にはできないのですが、吹きやすい土壌を作ることはできます。
それは自由にマンガを発表できる場を作ることです。
昨年双葉社では、2回にわたり「漫画家のためのセカンドオピニオン」という企画を実施しました。
他社で没になった企画を募集したところ、多数のご応募をいただきました。
「なんでこの作品が没になったんだろう」という疑問に、「担当レベルではOKが出たが、編集長判断で企画が通らなかった」という答えが多く、驚きつつも、納得はいきました。
実はwebアクションには編集長がいません。
さらに編集者は、所属部署がバラバラです。
webアクションは、双葉社のマンガ部門の編集者有志によって成り立っています。
なので、このサイトの作品をご覧になると、統一感の無さに愕然とするかもしれません。
でも、それでいいのです。
編集者はみなそれぞれ個性があり、好きなマンガが完全に一致することなどとうていありえません。
読者の皆様が求めていたマンガともし出会えたなら、こんなに嬉しいことはありません。
また、我々の考えに賛同していただける作家さん、フリーの編集者さんが居ましたら、是非ご連絡をください。
作りたいマンガが発表できる場を提供いたします。
読者の皆様、作家さん、編集者が「自分のための場所」となれるように、関係者一同邁進してまいりますので、応援よろしくお願いいたします。